Power Automate Desktop(以下PAD)は、業務の自動化を手軽に実現できる便利なツールです。しかし、アプリケーションやウェブページと連携する自動化フローを作成する際、アクションが高速すぎてアプリケーションが追いつかず、動作が失敗してしまうケースがあります。初心者の方でもすぐに対処できる方法をご紹介します!
なぜアクションが早すぎると問題になるのか?
PADはプログラム上、指定された手順を次々と実行しますが、対象となるアプリケーションやウェブページが準備を終える前に次の操作を進めてしまうと、エラーが発生します。たとえば、次のような問題が起こりがちです:
- クリック対象のボタンが表示される前にクリック処理を実行してエラーになる
- アプリケーションの起動完了を待たずに操作を開始して失敗する
- ページの読み込みが遅い場合、データの入力が途中で止まる
こういった問題は、「処理のタイミング」を調整することで解決可能です。
対処法その1:待機アクションを追加する
PADには「待機(Wait)」アクションが用意されています。これを利用することで、アクションとアクションの間にタイミングを調整する時間を設けることができます。
待機アクションの種類:
- 一定時間待機
時間を秒単位で指定して待機します。たとえば、「2秒待機」のように設定しておけば、アプリケーションが準備を整える時間を確保できます。- メリット: シンプルで設定が簡単。
- デメリット: ページやアプリの応答が速い場合、不要に時間がかかる。
- 条件を満たすまで待機
画面上の特定の要素が表示されるのを待つ「UI要素の出現を待機」や、特定の状態になるのを待つ「条件付き待機」などがあります。- メリット: 応答時間が環境によって変動しても柔軟に対応可能。
- デメリット: 要素を正しく認識させるために、事前の設定が少し必要。
おすすめ:基本的には「UI要素の出現を待機」が最適です。例えば、ボタンが画面に表示された後にクリックさせる、読み込みが終わった後に次の処理に進む、といった形でフローの安定性を高められます。
対処法その2:リトライ(再試行)の設定
PADには、操作が失敗したときに自動的に再試行する設定が可能です。リトライを設定することで、短時間の応答遅延が発生しても、エラーにならずに処理を再度試みます。
リトライ設定の手順:
- 該当するアクションを選択。
- 「エラー処理」のタブを開く。
- **「再試行の回数」と「再試行の間隔」**を設定する。
- 例: 「3回までリトライ」「1秒間隔」
これにより、一時的なエラーを吸収し、フロー全体が止まらないようにできます。
対処法その3:フロー全体の速度を調整する
PADには、フロー全体の実行速度を調整する機能があります。特に、アプリケーションや環境によって応答が遅い場合には、この設定が有効です。
実行速度の調整手順:
- PADのメニューから**「設定」**を開く。
- **「フロー実行速度」**を「ノーマル」や「低速」に設定。
高速での動作が原因でエラーになる場合、これで安定することがあります。ただし、全体の処理時間が増えるため、慎重に検討しましょう。
対処法その4:適切なエラーハンドリングを組み込む
PADで自動化を行う際には、エラーが発生した場合に備えてエラーハンドリングを入れておくことも重要です。たとえば、「失敗したらログを記録し、次の処理に進む」や「エラーが起きたら通知を送る」といった形です。
簡単なエラーハンドリング例:
- アクションのエラー処理タブで「エラー時の処理」を設定。
- **「エラー発生時にフローを中断しない」**を選び、代わりに別のアクションを設定する。
これにより、エラー発生時にもフロー全体が止まらず、次の処理に進むことができます。
よくある質問(Q&A)
Q1: 「待機」アクションを入れてもまだ失敗します。どうすればいいですか?
A1: 「待機」アクションの時間が短すぎる可能性があります。「UI要素の出現を待機」を使用し、アプリケーションの動作完了を確認してから次のアクションに進むよう設定してください。
Q2: アクションがどこで失敗しているかわかりません。どうやって調べるんですか?
A2: PADには「デバッグ」モードが搭載されています。フローをデバッグ実行して、どのアクションでエラーが発生しているか確認しましょう。さらに、ログを有効化して詳細な情報を記録することもおすすめです。
Q3: フローがうまく動いていたのに、急に動かなくなりました。なぜですか?
A3: 操作対象のアプリケーションやウェブページが更新され、UIの構造が変わった可能性があります。この場合、該当するUI要素を再度認識させ、修正を行う必要があります。
おわりに
アクションが早すぎてアプリケーションが応答しない問題は、PADを使い始めた初心者がよく直面する課題です。しかし、「待機」「リトライ」「実行速度の調整」「エラーハンドリング」などの対策を講じることで、フローの安定性を高められます。
困ったときは焦らず、少しずつ問題を切り分けて調整を進めてみてくださいね!
