1. セレクターとは何か?|初心者が最初に知るべき概念
Power Automate Desktop(以下PAD)を触っていて、最初につまずきやすいのが「セレクター」という言葉。
「なんだか難しそう…」と感じた方、大丈夫です!セレクターとは簡単に言えば「画面上のどのボタンをクリックするかを指定するための住所」のようなものです。
PADでは、アプリケーションやWebページの操作対象を正確に指定する必要があります。そのための仕組みが「セレクター」なのです。
2. UI要素とは?セレクターの基礎を支える重要なパーツ
PADにおけるUI要素とは、画面上の部品のこと。例えば次のようなものが該当します:
- ボタン
- テキストボックス
- チェックボックス
- メニュー項目
PADでは、これらの部品を認識・操作するためにUI要素を取得します。そして、そのUI要素を識別する情報のひとつが「セレクター」なのです。
UI要素には以下の2種類があります:
| タイプ | 説明 |
|---|---|
| デスクトップUI要素 | メモ帳や電卓など、PC内のアプリに対応 |
| Web UI要素 | ブラウザ内のボタン・リンクなどに対応 |
3. セレクターを使ってみよう(実践)|電卓を使ったハンズオン
手順①:電卓アプリを起動する
- スタートメニューから「電卓」を起動
手順②:PADで新しいフローを作成
- Power Automate Desktopを起動し、新しいフローを作成します。
手順③:UI要素の追加
- 右側のパネルで「UI要素」タブを開く
- 「UI要素を追加」をクリック
- UI要素ピッカーが立ち上がる
- 電卓の「5」ボタンにカーソルを合わせ、Ctrl + クリック
これで、「5」ボタンのUI要素が登録されました。
手順④:マウスポインターを移動させて動作確認
アクションを追加:
- 「UIオートメーション」 > 「マウスポインターをUI要素に移動」
- UI要素として「5」ボタンを指定
✅ フローを実行して、マウスポインターが5ボタンに動けば成功です!
セレクターの中身を見るには?
- UI要素をダブルクリック
- セレクター編集画面が表示される
- 「テキストエディター」に切り替えると、セレクターの構造が見えます
例:
<wnd class='Windows.UI.Core.CoreWindow' name='電卓'>
<custom id='num5Button' class='Button'/>
</wnd>
これは「電卓」ウィンドウ内の「num5Button」IDを持つボタンを意味しています。
4. エラーになりやすいセレクターの例と対処法
ケース①:ウィンドウタイトルが変わる
たとえば、メモ帳に何か文字を入力すると、ウィンドウ名に「*」がつくことがあります。
変化前: test.txt - メモ帳
変化後: *test.txt - メモ帳
→この違いでセレクターが一致しなくなり、エラーになります。
対処方法:演算子を活用する!
セレクター内で「等しい(=)」ではなく、「含む(*=)」にすることで回避可能。
<name contains='test.txt - メモ帳'/>
PADのUIでは「演算子」を「含む」に設定できます。
5. セレクターに変数を使って効率化する方法
例えば、複数の電卓ボタン(1〜9)をクリックしたい場合、通常はそれぞれのUI要素を1つずつ登録する必要がありますが……
工夫ポイント:
ID属性の末尾(例:num1Button, num2Button)だけが違うなら、変数で対応可能!
手順:
- ループアクションで1~9の数字を繰り返し処理
- セレクター内のIDを変数
${LoopIndex}に置換 - セレクターを「テキストエディター」で修正
<custom id='num${LoopIndex}Button' class='Button'/>
✅ これで、1つのアクションで1〜9までボタンをクリック可能!
6. よくある質問(FAQ)
Q1. セレクターに変数を使うときは何に注意すればいいですか?
→ ビジュアルエディターでは「等しい」演算子しか使えないため、テキストエディターに切り替えて編集しましょう。
Q2. デスクトップセレクターとWebセレクターの違いは?
→ 見た目は似ていますが、中身の構造が異なります。**アイコンの形(デスクトップはウィンドウ型、Webはブラウザ型)**で判断できます。
Q3. UI要素ピッカーで取ったスクリーンショットは削除できますか?
→ 標準機能では削除できません。ただし、ソリューションとしてZIPにエクスポート後に編集すると削除可能です(要スキル)。
Q4. セレクターが動かなくなったとき、どこを疑えばいい?
- ウィンドウ名が変わっていないか?
- アプリケーションのバージョンアップがあったか?
- UI構成に変更があったか?
✅ 「テスト」ボタンでUI要素を検証しましょう!
Q5. セレクターって難しい?何レベルくらいの知識?
→ 初心者レベル10段階で言えば、レベル6〜7程度。基本操作に慣れた後で学ぶと理解が深まります!
