RPAは、人手をかけて行っていたルーチンワークを自動化することで、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減が期待できます。しかし、RPAの導入が必ずしも成功するわけではなく、逆に業務効率化を目指した改革が失敗に終わることもあります。その大きな理由の一つとして、RPAを正しく活用するためのマネジメントが不足している点が挙げられます。では、RPAを用いた業務改革で失敗しないためには、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか?本記事では、失敗を避けるための具体的なプロセスと重要なポイントを解説していきます。
RPA活用で失敗しないための5つの業務改革プロセス
①業務プロセスの可視化 – 全体把握が成功の鍵
RPAを導入する前に、まず行うべきは業務プロセス全体の可視化です。どの部分を自動化するかを見極めるためには、現在行われている業務がどのようなフローで動いているのかをしっかりと理解する必要があります。業務プロセスが複雑である場合や、担当者ごとに異なる手順で行われている場合、RPA導入によって逆に混乱を招く可能性があります。そのため、業務の全体像をしっかりと把握し、現状のフローを見える化することが最初のステップとなります。ここで大切なのは、業務の細部までしっかり洗い出し、無駄や重複がないかを確認することです。
ポイント
- 業務の流れをすべて視覚的に表現する
- 各ステップの担当者や使用しているツール、所要時間を把握する
- 現状のフローにどのような課題があるかを明確にする
②ボトルネックの評価 – インパクトの分析
業務の可視化が終わったら、次に行うべきはボトルネックの特定です。すべての業務が効率化されるわけではなく、特に効率化が必要な箇所、つまりボトルネックに焦点を当てることが大切です。たとえば、手作業が多く時間を要している部分や、エラーが発生しやすいステップがボトルネックとなる場合が多いです。どの部分を自動化することで最も大きなインパクトが得られるかを分析し、そのインパクトが大きい業務から順に改善を図ります。
ポイント
- 業務が停滞している箇所やエラーが頻発する箇所を見つける
- 改善した場合の効果(時間削減、コスト削減など)を定量的に評価する
- インパクトが大きい業務を優先して自動化する計画を立てる
③業務標準化 – 安定した運用のための基盤づくり
業務を自動化する前に、標準化が必要です。担当者ごとに異なる方法で行われている業務を自動化してしまうと、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。そこで、自動化する業務を全社的に同じ手順で行うように標準化することが重要です。これにより、RPAが一貫した動作を行い、トラブルの発生を最小限に抑えることができます。また、標準化された業務フローは将来的なメンテナンスや改善も容易に行えるため、長期的な視点での効率化にもつながります。
ポイント
- 各業務の手順を統一し、マニュアル化する
- 自動化の対象業務に含まれるすべてのルールを明確にする
- スタッフ間で標準化した業務フローを共有し、浸透させる
④テクノロジー適合性と実現性 – 正しいツール選びと導入
RPAツールの選定は、成功の鍵となる重要なステップです。数多くのRPAソリューションが市場に出回っており、それぞれが異なる特性を持っています。そのため、自社の業務内容や目標に合った最適なRPAツールを選択することが不可欠です。また、選んだツールが実際に導入可能か、現行システムとの互換性があるかどうかも重要なポイントです。さらに、導入後のサポート体制が整っているか、必要なトレーニングが提供されるかといった点も考慮しなければなりません。
ポイント
- RPAツールの特性を比較し、自社のニーズに合ったものを選ぶ
- システムの互換性や既存のインフラとの調和を確認する
- 導入後のメンテナンスやサポートの体制を整備する
⑤新業務運用方法の検討 – 人とロボットの協働体制の構築
RPAの導入後に最も重要なのは、新しい業務フローがどのように運用されるかという点です。RPAは全自動ではなく、人間が介在する部分が必ずあります。そのため、人とロボットがどのように協働するかを設計し、役割分担を明確にする必要があります。また、RPAの運用を継続的に見直し、改善点を見つけていくプロセスも重要です。定期的なモニタリングとアップデートを行うことで、導入後の問題を未然に防ぎ、より効率的な運用を目指せます。
ポイント
- RPAがどのタイミングでどの業務を行うかを定義する
- 人間が関与する業務とRPAのタスクを明確に分ける
- 定期的な業務フローの見直しと改善を行う体制を整える
まとめ
RPAを活用した業務改革は、プロセスをしっかりと管理し、適切なポイントを押さえることで成功に導くことができます。全体の業務プロセスを可視化し、ボトルネックを見つけて改善を図り、業務を標準化する。そして、正しいツールを選定し、人とロボットが協力する新しい運用方法を確立することが、RPA導入成功のカギです。しかし、これらのプロセスを適切にマネジメントできる人材や体制が整っていない場合、導入は失敗に終わる可能性があります。したがって、RPA導入を成功させるためには、マネジメント力の強化も同時に求められます。
RPAは、正しく運用すれば大きなメリットをもたらすツールですが、導入だけに頼らず、常に最適化を図ることが長期的な成功への道です。
