はじめに
Power Automate Desktop(PAD)でブラウザー操作を自動化するとき、最も重要なのがセレクター(Selector)です。
セレクターは、Webページ上の「どのボタン」「どの入力欄」を操作するのかをPADが識別するための住所のような情報。
この記事では、実際にWebページへログインするフローを例に、
- セレクターの仕組み
- 正しい設定方法
- トラブル時の修正法(Repair Selector)
を初心者向けにわかりやすく解説します。
1. セレクターとは何か?
Power Automate Desktopの**セレクター(Selector)**とは、Webページやアプリの中で特定の要素(入力欄・ボタン・リンクなど)を特定するための識別情報です。
例えば、
- ログインページの「ユーザー名」欄
- 「パスワード」欄
- 「ログイン」ボタン
などをPADが正確にクリックや入力できるようにするために必要です。
セレクターは「HTMLタグ」「ID」「クラス名」などをもとに構成されています。
もしページ側の構造やIDが変更されると、フローが失敗することがあります。
2. ログイン自動化のフローを作ってみよう
🔧手順①:ブラウザーを起動
- 新しいフローを作成。
- 「ブラウザーを起動」アクションを追加。
- URL変数:
%URL% - 既定ブラウザー(EdgeまたはChrome)を選択。
- URL変数:
- 「ウィンドウを最大化」にチェックを入れておくと作業が安定します。
🔧手順②:ページを開いた後のポップアップ対策
もしページ読み込み時にポップアップや同意バナーが出る場合、
「Webページ上の要素を取得」や「クリック」アクションで閉じる操作を追加しましょう。
3. セレクターを使ってユーザー名とパスワードを入力
🔧手順③:要素を指定して入力
- 「Webページにデータを入力(Populate text field on web page)」を追加。
- 「UI要素の選択」ボタンをクリック。
- ログイン画面の「ユーザー名」欄をクリックして選択します。
- 入力する値を設定(例:
%Username%)。
同様に「パスワード欄」も指定して %Password% を入力します。
💡ポイント:セレクターの安定性を確認
選択した要素の「ID」や「Name」属性が固定されているかを確認しましょう。
もし動的に変わる(例:IDが毎回違う)場合は、
- 「固定要素」(例:
name='username')を使う - 「部分一致(Contains)」を使う
ことで安定した自動化が可能になります。
🔧手順④:「ログイン」ボタンをクリック
- 「Webページ上の要素をクリック」アクションを追加。
- ログインボタンを選択。
- 「テスト」ボタンを押して、クリック動作が成功するか確認。
4. セレクターのトラブルと修復方法
実際の業務では、ページ更新やHTML構造の変化でフローが動かなくなることがあります。
そんなときに使うのが**「Repair Selector(セレクターの修復)」**です。
🧩修復の手順
- 該当アクションを右クリック → 「セレクターを修復」
- 新しい要素を再指定すると、PADが差分を比較してセレクターを再生成します。
- 修復後はテスト実行して正しく動くか確認します。
また、「新しいセレクターを追加(Add New Selector)」を使って複数のセレクターを登録することもできます。
これにより、ページ構造が変わってもフローが動作し続ける可能性が高まります。
5. セレクターを安定させるためのポイント
セレクターが壊れないようにするには、以下の点を意識しましょう👇
✅ 固定属性を優先的に使用する
IDよりも「name」や「aria-label」などの安定した要素を使う。
✅ 画像認識ではなくUI要素を使う
見た目ではなくHTML構造に基づくセレクターの方が精度が高い。
✅ Trim(トリム)関数でスペースを除去する
入力値の前後に空白が入るとログインエラーになることがあります。
→ 例:Trim(%Password%)
✅ 複数セレクターを登録しておく
もし1つが無効になっても、予備セレクターでフローを維持できる。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 「UI要素が見つかりません」と出ます。
A. 対象のブラウザーやアプリが最前面になっていない可能性があります。ウィンドウをアクティブにして再試行してください。
Q2. ページの構造が頻繁に変わるサイトではどうすれば?
A. 「部分一致」や「正規表現セレクター」を使い、動的に変わる部分を無視する設定にします。
Q3. 手動入力だとログインできるのに自動化だと失敗します。
A. 入力欄に空白や改行が含まれていないか確認し、Trim()関数を使うと改善されます。
Q4. セレクターをエクスポート/編集する方法は?
A. アクションを右クリック→「テキストエディタで開く」から直接編集可能です。
