Power Automate Desktop(以下、PAD)でよく使われる「画像が存在する場合」アクション。この便利な機能、実は画像を複数登録したときの動作ルールや注意点を理解しておかないと、思わぬ誤作動につながります。
本記事では、PADで「画像が存在する場合」アクションに複数の画像を登録する場合の注意点や、精度を高める設定方法・テンプレ作成のコツを丁寧に解説します。
目次
「画像が存在する場合」アクションの挙動とは?
PADの「画像が存在する場合」アクションに複数画像を登録すると、上から順に判定されていきます。
処理の流れは以下の通り:
- リストの上位の画像から順番にマッチングを試行
- 最初に一致した画像があれば、そこで処理が終了
- 上位画像が見つからない場合、次の画像へ進む
つまり、上にある画像ほど優先度が高くなるのです。
なぜ注意が必要なのか?
よくあるトラブル例:
- 上位に置いた画像が似すぎていて、本来検出したい下位画像が無視されてしまう
- 全く同じUIの色違い・状態違いの画像が混在していると、誤認識が頻発
- 登録画像が多すぎると、探索時間が長くなる
【画像登録】テンプレート画像作成の5つのポイント
画像認識の精度はテンプレート画像の質で決まると言っても過言ではありません。以下を意識してテンプレを作成しましょう。
① テンプレは小さく!余白は最小限
- 識別に必要な部分だけ(ロゴの一部、アイコンの中心など)を切り出す
- 無駄な背景や影は入れない
② 状態別に分けておく
- 押下前/後、ライト/ダークテーマ、アクティブ/非アクティブ などは別画像として登録し、出現頻度順に並べる
③ 輪郭のはっきりした形を選ぶ
- 細かい文字より、太くてエッジの効いたパーツを選ぶとマッチしやすい
④ 同一スケール・同一解像度で撮影
- Windowsスケール設定は100%推奨
- 複数端末を使う場合は端末ごとにテンプレを用意
⑤ 色ではなく「形」で判断させる
- グラデーションや影の多い画像はNG
- モノクロ寄りの画像(形が認識しやすいもの)にするのがポイント
【範囲指定】画像探索の効率を上げる方法
マッチング精度を上げるには、画像の探索範囲を絞るのがとても重要です。
おすすめの範囲設定:
- 対象ウィンドウのみ(アクティブなウィンドウ内限定)
- 特定領域だけを指定(ボタンの位置が決まっていれば、その範囲だけに限定)
- 使用するモニタを固定(マルチモニタなら、対象モニタだけで判定)
【アクション設定】これだけは押さえておきたいポイント
PAD上で「画像が存在する場合」アクションを設定する際は、以下の調整が重要です。
しきい値(画像一致率)
- 最初は 0.85 を目安に
- 誤検出が出たら しきい値を上げる
- 見逃しが出たら しきい値を下げる
グレースケール比較
- UIの色変動が多い場合はONにすると安定します
(色ではなく形で一致させるため)
複数候補を返すオプション
- 基本は OFF(探索時間と誤検知リスクを減らす)
タイムアウトとリトライ設定
- 短めのタイムアウト(300〜500ms)
- リトライ回数は3〜5回(間隔200ms)
【テンプレ順序】類似画像が多いときは並び替えがカギ!
似たような画像を使うときは、次のルールを守って順番を設定しましょう。
- ざっくりしている画像は下位に
- 特徴が明確な画像を上位に
【実行環境の整備】意外と見落としがちな罠
1. 表示スケールを統一(100%)
- スケールが違うと、テンプレとマッチしなくなります!
2. UIアニメーションを無効にする
- Windowsの視覚効果設定からアニメーションをOFFに
- 描画ブレを防ぎます
3. テーマ・フォントを固定
- アプリテーマやフォント変更でマッチしないことがあります
- チームで使う場合はルールを決めておくと安心
【フロー設計】画像検索の精度を上げるワザ
- 検索前にウィンドウをアクティブ化・最大化
- 親画像を先に確認 → 近くの領域だけを再検索
- フェイルセーフでF5や再読込を組み込む
【今すぐ試せる!】おすすめ初期設定テンプレ
初心者でもすぐできる設定例を紹介します。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| テンプレサイズ | 20〜40px(余白なし) |
| 検索範囲 | アクティブウィンドウ |
| 一致率 | 0.85 |
| グレースケール | ON |
| タイムアウト | 400ms |
| リトライ | 3回、200ms間隔 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 登録画像の順番は後から変えられますか?
はい、可能です。 PADの画像リストでドラッグ&ドロップするだけで並び替えられます。
Q2. 色違いのUIにはどう対応すべきですか?
状態別にテンプレ画像を複数用意して、出現頻度順に登録しましょう。 グレースケールONも有効です。
Q3. なぜテンプレ画像を小さくした方が良いのですか?
探索対象が少なくなり、判定速度が上がるためです。 余白があると誤認識の原因になります。
Q4. 同じPCでも誤認識されるのはなぜ?
表示スケールやDPIが違ったり、UIアニメーションがONになっている可能性があります。設定環境を見直しましょう。
この手順を意識すれば、Power Automate Desktopの画像認識はグッと安定します。
ご自身の環境に合わせて、テンプレ画像の質と並び順を見直してみてください!
