Power AutomateとAIで請求書PDFをExcelに自動転記する方法

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メールで届いた請求書や領収書の内容を、毎回Excelに手入力していませんか?

会社名、日付、金額、請求番号などを確認しながらExcelへ転記する作業は、地味に時間がかかります。

さらに、手入力の場合は入力ミスや確認漏れが発生する可能性もあります。

Power AutomateとAI Builderを使えば、メールで届いた請求書PDFをAIで読み取り、Excelに自動で記録することができます。

今回は、請求書PDFをAIで読み取ってExcelに自動転記するフローの作り方を紹介します。


目次

今回作成する自動化の流れ

今回のフローでは、メールで届いた請求書PDFを自動で処理します。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. 請求書PDFが添付されたメールを受信する
  2. Power Automateで添付ファイルを取得する
  3. AI Builderで請求書の内容を読み取る
  4. 読み取った会社名・日付・金額などをExcelに記録する

これにより、メールを確認してPDFを開き、内容をExcelに手入力する作業を自動化できます。


AI Builderとは

今回の読み取り処理には、Power AutomateのAI Builderを使います。

AI Builderは、Power Platformで利用できるAI機能です。

請求書や領収書などの書類から、会社名、日付、金額、請求番号などの情報を自動で抽出できます。

通常、PDFの内容を読み取ってExcelに入力するには、人が目で確認して転記する必要があります。

しかし、AI Builderを使うことで、PDF内の情報をAIが読み取り、その結果をPower Automateの後続処理で利用できます。

なお、AI Builderは有償ライセンスが必要になる場合があります。利用前に、自社の契約内容や利用可能な機能を確認しておくと安心です。


事前準備

フローを作成する前に、請求書の内容を記録するExcelファイルを用意します。

Excelには、あらかじめ次のような項目を作成しておきます。

  • 会社名
  • 請求日
  • 支払期限
  • 請求番号
  • 金額
  • 消費税
  • 合計金額
  • ファイル名
  • 登録日時

必要な項目は、業務に合わせて変更して問題ありません。

重要なのは、Excelの範囲を「テーブル化」しておくことです。

Power Automateの「表に行を追加」アクションでは、Excelのテーブルを指定してデータを追加します。

そのため、単にExcelに見出しを作るだけでなく、対象範囲をテーブルとして設定しておきます。

また、ExcelファイルはOneDriveまたはSharePointに保存しておきます。

今回は、請求書台帳として使うExcelファイルをSharePointに保存しておく想定で進めます。


Power Automateフローの作成手順

ここからは、Power Automateでフローを作成していきます。

1. メール受信トリガーを設定する

まず、添付ファイル付きのメールを受信したときにフローが実行されるようにします。

トリガーには、Outlookの「新しいメールが届いたとき」を使用します。

設定では、次のような項目を指定します。

  • 対象フォルダー
  • 添付ファイルを含める
  • 添付ファイル付きのみ
  • 件名に含まれる文字列

たとえば、請求書だけを対象にしたい場合は、件名に「請求書」や「invoice」などの文字が含まれるメールだけを処理するように設定できます。

これにより、すべてのメールを処理するのではなく、請求書メールだけを対象にできます。


2. 添付ファイルをAI Builderに渡す

次に、AI Builderの「請求書を処理」アクションを追加します。

このアクションでは、請求書ファイルをAIに渡して、内容を読み取ります。

請求書ファイル欄には、メールトリガーで取得した添付ファイルのコンテンツを設定します。

メールにPDFが添付されている場合、そのPDFファイルの中身をAI Builderが解析し、請求書に含まれる情報を抽出します。

抽出できる項目の例は次のとおりです。

  • 取引先名
  • 請求日
  • 請求番号
  • 支払期限
  • 小計
  • 消費税
  • 合計金額

請求書の形式によって、読み取れる項目や精度は変わります。

そのため、実際に使用する請求書でテストして、必要な項目が正しく取得できるか確認しておくことが大切です。


3. Excelの表に行を追加する

AI Builderで請求書の内容を読み取ったら、次にExcelへ記録します。

Excel Onlineの「表に行を追加」アクションを使用します。

ここでは、事前に用意した請求書台帳のExcelファイルを指定します。

設定する内容は次のとおりです。

  • 保存場所
  • ドキュメントライブラリ
  • ファイル
  • テーブル
  • 各列に登録する値

Excelの各列に、AI Builderで読み取った値を割り当てます。

たとえば、次のように設定します。

  • 会社名:AI Builderで取得した取引先名
  • 請求日:AI Builderで取得した請求日
  • 請求番号:AI Builderで取得した請求番号
  • 金額:AI Builderで取得した合計金額
  • ファイル名:メール添付ファイル名
  • 登録日時:フロー実行日時

この設定により、請求書メールを受信するたびに、Excelの請求書台帳へ自動で1行追加されます。


実行テスト

フローを作成したら、実際に請求書PDFを添付したメールを送信してテストします。

テストの流れは次のとおりです。

  1. サンプル請求書PDFを用意する
  2. メールに請求書PDFを添付する
  3. 対象のメールアドレスへ送信する
  4. Power Automateの実行履歴を確認する
  5. Excelの請求書台帳を確認する

正しく設定できていれば、請求書PDFの内容がAIで読み取られ、Excelに自動で記録されます。

請求書台帳を開くと、会社名、日付、金額などが追加されていることを確認できます。


自動化するときの注意点

請求書の自動読み取りは便利ですが、実務で使う場合はいくつか注意点があります。

読み取り結果を必ず確認する

AI Builderは便利ですが、すべての請求書を100%正確に読み取れるとは限りません。

請求書のレイアウトや文字の状態によっては、読み取りミスが発生することもあります。

そのため、最初から完全自動で処理するのではなく、確認用の列を用意しておくのがおすすめです。

たとえば、Excelに「確認済み」という列を作成し、最初は未確認の状態で登録しておくと安心です。

PDF以外の添付ファイルを除外する

メールには、PDF以外のファイルが添付されることもあります。

そのため、拡張子がPDFの場合だけ処理する条件を追加しておくと、不要なエラーを防げます。

エラー時の通知を入れる

AI Builderで読み取れなかった場合や、Excelへの登録に失敗した場合に備えて、担当者へ通知する処理も入れておくと安心です。

たとえば、Teamsやメールで「請求書の登録に失敗しました」と通知するようにしておけば、トラブルにすぐ気づけます。


読み取り後の業務も自動化できる

Power Automateを使うと、Excelへの記録だけでなく、その後の業務もまとめて自動化できます。

たとえば、次のような処理を追加できます。

  • 経理担当者へTeams通知する
  • 上長へ承認依頼を送る
  • 金額が一定以上の場合だけ承認フローに進める
  • SharePointに請求書PDFを保存する
  • Dataverseや販売管理システムに登録する
  • 支払期限が近づいたらリマインドする

単にExcelへ転記するだけでなく、請求書処理全体を効率化できるのがPower Automateの強みです。


まとめ

今回は、Power AutomateとAI Builderを使って、メールで届いた請求書PDFをExcelに自動転記する方法を紹介しました。

処理の流れは次のとおりです。

  1. メールで請求書PDFを受信する
  2. 添付ファイルを取得する
  3. AI Builderで請求書の内容を読み取る
  4. 読み取った会社名・日付・金額などをExcelに記録する

この仕組みを作ることで、請求書や領収書の手入力作業を大きく削減できます。

毎回PDFを開いて、会社名や金額をExcelに入力している場合は、自動化の効果が出やすい業務です。

さらに、通知、承認、ファイル保存、他システムへの登録まで組み合わせれば、請求書処理全体をPower Automateで効率化できます。

請求書や領収書の入力作業に時間がかかっている場合は、ぜひ一度試してみてください。

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