Power Automate Desktop に新たに追加された**「修復フローエラー(Repair Flow Errors)」機能** を紹介します。
この機能では、CopilotがAIを活用してフローのセレクターを自動修復する ことで、エラーの発生を抑え、フローのメンテナンスを大幅に簡単にします。
本記事では、この「修復フローエラー」の仕組みや使い方について詳しく解説します。
修復フローエラーとは?
Power Automate Desktop でフローを作成すると、WebページやアプリのUI要素を選択する**「セレクター(Selector)」** を設定する必要があります。
しかし、Webページの構成が変わったり、ボタンの名称が変更されたりすると、セレクターが無効になりフローが正常に動作しなくなる ことがあります。
従来であれば、セレクターのエラーを手動で修正する必要がありましたが、新機能**「修復フローエラー」** により、Copilotが自動的にセレクターを修復 してくれるようになりました。
✅ AIによる自動修復でメンテナンスの手間を削減
✅ Webページの変更にも柔軟に対応
✅ エラーの検出と修正をスムーズに実行
では、実際にこの機能を試してみましょう。
修復フローエラーを使ったフローの作成
1. 新しいフローの作成
- Power Automate Desktopを開き、「新しいフロー」をクリックします。
- フローの名前を「BMW」と設定し、「作成」をクリックします。
2. Webページへのアタッチ(接続)
今回は、BMWのWebページに対して自動化を行います。
- 「Microsoft Edgeを起動」アクション を選択します。(ChromeやFirefoxも使用可能)
- 「新しいインスタンスを起動」ではなく、「既存のインスタンスにアタッチ」を選択します。
- 「タブタイトル」に「BMW」と入力し、ブラウザーインスタンス変数「browser」に保存します。
3. UI要素の選択
今回は、Webページ内の「Electric Future」リンクをクリックするフローを作成します。
- 「Webページのリンクをクリック」アクションを追加します。
- 「UI要素の追加」をクリックし、Webページの「Electric Future」ボタンを選択します。
- Ctrlキーを押しながらクリック してUI要素を登録します。(これがセレクターとして保存される)
この操作により、Power Automate Desktop は指定した要素のアドレス(セレクター)を記録し、クリック操作を実行できるようになります。
AIによるセレクターの修復機能をテスト
では、Webページの構成が変更された場合、Copilotがどのようにセレクターを修復するかを検証してみます。
1. フローをPower Automate Cloudで実行
Power Automate Desktopで作成したフローを実行するため、Power Automate Cloudでフローを作成します。
- Power Automate Cloudを開き、「新しいクラウドフロー」を作成します。
- 「即時クラウドフロー」を選択し、フロー名を「BMW」に設定します。
- 「フローの手動実行」をトリガーとして設定します。
- 「Power Automate Desktop フローを実行」アクションを追加し、先ほど作成した「BMW」フローを選択します。
- 「実行モード」を「Attended」に設定し、「保存」してフローを実行します。
実行後、Webページが変更されていなければ正常に動作することを確認 できます。
2. Webページの変更によるエラーの発生
次に、Webページの一部を変更し、フローがエラーを検出するか確認します。
- Webページを開き、「Electric Future」ボタンを右クリックし、「検証(Inspect)」を選択します。
- HTMLコードの該当箇所を探し、「Electric Future」のテキストを「Green Motion」に変更します。
- フローを再度実行すると、エラーが発生します。
通常、このような変更があるとPower Automate Desktopのフローはエラーになり、修正が必要になります。
しかし、AIによる「修復フローエラー」機能を有効にしておけば、自動で修正が行われます。
3. Copilotによるセレクターの自動修復
Power Automate Desktopの**「修復フローエラー」** を有効にしてフローを実行すると、Copilotがエラーを検出し、自動で修正を試みます。
修復プロセス
- フローが通常どおり実行され、エラーが発生すると、Copilotがエラーを検出します。
- 「修復フローエラー」ウィンドウがポップアップ表示される
- Copilotが新しいセレクターを提案(例えば、「Electric Future」→「Green Motion」に自動変更)
- 提案された修正を適用(手動での承認も可能)
- 修正後、フローを再実行
4. AIによる自己修復の仕組み
Copilotは以下の方法でセレクターの修復を行います。
✅ 変更されたUI要素を識別
✅ 類似したUI要素を自動検索
✅ 新しいセレクターを生成し、適用
✅ ユーザーが修正内容を確認し、適用するか選択可能
さらに、Copilotは**「自己修復セレクター(Self-Healing Selector)」** を生成し、今後の変更にも対応しやすくします。
このセレクターは通常のセレクターに加えて補助的に使用され、万が一元のセレクターが無効になっても機能を維持できる 仕組みです。
まとめ
Power Automate Desktop の 「修復フローエラー」機能 を活用することで、Webページの変更に対応しやすくなり、フローのメンテナンスが大幅に軽減 されます。
✅ AIがエラーを自動検出し、修正を提案
✅ 手動修正も可能で、柔軟な運用が可能
✅ 自己修復セレクターにより、将来の変更にも強いフローを作成可能
特に、Web RPAの運用において、フローのエラー対応の負担が軽減 されるため、業務の自動化をよりスムーズに進めることができます。
今後、さらにCopilotの精度が向上すれば、エラー修正の自動化がさらに進化 するでしょう。
ぜひ、この新機能を活用して、より効率的なRPAフローを構築 してみてください。
