アクションを増やせば何でも作れる。でもそれでいいの?
Power Automate Desktop(以下PAD)は、Microsoftが提供する強力なRPAツールで、アクションを積み重ねることで、複雑な業務を自動化できます。
「アクションを増やせば、どんなことでもできる」
たしかにそれは事実です。けれども、現実にはアクションの数が多い=良いフローとは限りません。アクションが多すぎると…
- バグが起きやすい
- 修正箇所が増える
- 全体像がわかりにくくなる
こういった問題に直面することになります。
RPAの設計には、「いかに少ないアクションで目的を達成するか?」という発想がとても重要です。これを、昔のパソコンゲームを例に考えてみましょう。
昔のパソコンゲームに学ぶ「スマートな処理」の考え方
1980年代のパソコンゲームでは、テンキーでキャラクターを動かすゲームが多く存在しました。
- テンキーの「4」を押すと、キャラクターが左に1ドット動く
- テンキーの「6」を押すと、右に1ドット動く
この処理を素直にRPAに置き換えると、次のようなフローになります。
【初心者がよくやるPADの作り方】
- 「キー入力を待機」
- 「条件分岐(If)」で、入力されたキーが「4」かを判定
- 「変数に -1 を代入」して座標を変更
- 「条件分岐(Else If)」で、「6」かを判定
- 「変数に +1 を代入」して座標を変更
これでも正しく動きます。でも、もっとスマートにできるとしたら?
経験者のPAD設計はこうなる
経験を積んだPADユーザーであれば、こう考えます。
押されたキーから「5」を引けば、-1(左)か +1(右)になる
つまり、こういうことです:
- キー「4」なら 4 – 5 = -1 → 左へ移動
- キー「6」なら 6 – 5 = +1 → 右へ移動
【経験者のPADフロー】
- 「キー入力を取得」
- 数値変換(「押されたキー」 – 5)
- キャラクター座標に加算
たったこれだけで、同じ処理が完結します。
Power Automate Desktopでも“アクションを減らす設計”を意識しよう
PADでは、アクションを細かく分けて処理することもできますが、同じ処理をまとめて、変数や式をうまく活用することで、圧倒的にシンプルなフローを作れます。
「動けばOK」ではなく、「わかりやすくて修正しやすい」設計を意識することで、将来的なメンテナンスやバグ修正の工数を大幅に減らせます。
特に業務フローを扱うRPAでは、以下のようなことがよく起こります:
- 他人が作ったフローを引き継ぐ
- ルール変更に対応して修正する
- 一部だけ改修して他は残したい
こうした場面では、**シンプルに作られたPADフローほど「ありがたい存在」**になります。
よくある質問(FAQ)
Q1: アクションを減らすと、逆にわかりにくくなりませんか?
A: わかりやすさとのバランスが大事です。計算式が複雑になりすぎない範囲で、「処理の意図が1行で伝わる」設計を心がけましょう。複雑な場合は、コメントを追加すると◎。
Q2: 初心者でもシンプルなフローを作るにはどうすれば?
A: 最初はシンプルな処理を意識して、「似た処理をまとめられないか?」を考える練習をすると良いです。たとえば、同じような条件分岐が複数ある場合は、1つにまとめることを検討しましょう。
Q3: アクションが多いフローを減らすにはどうしたらいい?
A: 「変数」「ループ」「サブルーチン」「スクリプト実行」などを活用すると、アクション数をぐっと減らせます。PADの「式エディタ」を使いこなすことも重要なポイントです。
Q4: 修正しやすいフローにするには?
A: 変数名やアクション名をわかりやすくする、処理のまとまりごとにラベルをつける、コメントを活用するなど、「後で見る人」のことを意識しましょう。
