RPA開発者がよく直面する課題のひとつが、ブラウザの自動操作(Browser Automation) です。
例えば、ログインページでユーザー名とパスワードを入力し、ログインボタンをクリックする といった作業を自動化できます。
本記事では、Power Automate Desktop(PAD)を使ってブラウザを自動操作する方法 を、初心者向けに詳しく解説します。
実際のサンプルページを用いて、ログイン処理の自動化とスクリーンショットの取得 を行います。
目次
1. ログイン自動化の概要
今回は、以下の流れでブラウザの操作を自動化します。
- Google ChromeまたはMicrosoft Edgeを開く
- ログインページへアクセス
- ユーザー名とパスワードを入力
- ログインボタンをクリック
- ログイン後の画面をスクリーンショットとして保存
- スクリーンショットのファイル名を動的に設定
💡使用するWebページ: The Internet Login Sample Page
(テスト用のログインページ)
2. Power Automate Desktopで新しいフローを作成
まずは、Power Automate Desktopを開き、新しいフローを作成しましょう。
手順
- Power Automate Desktopを開く
- 「新しいフロー」を作成
- 例:「Browser Automation」
- 「作成」をクリック
3. ログインページを開く
次に、ログインページを開くように設定します。
手順
- 「アクション」パネル から「ブラウザーの起動」を選択
- 「新しいChromeインスタンスを起動」または「新しいEdgeインスタンスを起動」
- URLを入力
https://the-internet.herokuapp.com/login
- 「保存」をクリック
- フローを実行して、ブラウザが正しく開くか確認
4. ユーザー名とパスワードを入力
次に、ユーザー名とパスワードを入力するアクションを追加します。
手順
- ユーザー名とパスワードを変数として作成
- 「変数」タブ → 「入力変数の追加」
- 名前:「username」
- 値:「tomsmith」(テスト用アカウント)
- 同様に「password」変数を作成
- 値:「SuperSecretPassword!」
- 「password」は「機密情報」にチェック(画面に表示されないようにする)
- 「Webフォームにテキストを入力」アクションを追加
- ブラウザ変数を選択
- 「UI要素を追加」→ 「ユーザー名フィールド」を選択
- 入力値に「%username%」を設定
- 同様に「パスワード入力」アクションを追加
- 「UI要素を追加」→ 「パスワードフィールド」を選択
- 入力値に「%password%」を設定
- 「保存」をクリック
- フローを実行して、ユーザー名とパスワードが正しく入力されるか確認
5. ログインボタンをクリック
次に、「ログイン」ボタンをクリックするアクションを追加します。
手順
- 「Webページ上のリンクをクリック」アクションを追加
- ブラウザ変数を選択
- 「UI要素を追加」→ 「ログインボタン」を選択
- 「保存」をクリック
- フローを実行して、ログインが成功するか確認
6. ログイン後の画面をスクリーンショットとして保存
ログイン後のページをスクリーンショットとして保存します。
手順
- デスクトップに「screenshot」フォルダを作成
- 右クリック → 「新規フォルダー」 → 名前を「screenshot」に変更
- フォルダのパスを取得
- Shift + 右クリック → 「パスのコピー」
- 「フォルダパス」変数を作成
- 名前:「folderPath」
- 値:「C:\Users\〇〇\Desktop\screenshot」
- 「Webページのスクリーンショットを取得」アクションを追加
- ブラウザ変数を選択
- 「ファイルに保存」を選択
- ファイルパスを「%folderPath%\screenshot.png」に設定
- フローを実行し、スクリーンショットが正しく保存されるか確認
7. スクリーンショットのファイル名を動的に設定
スクリーンショットのファイル名を 「日付 + 時刻」 にすることで、上書きを防ぎます。
手順
- 「現在の日時を取得」アクションを追加
- 変数名:「currentDateTime」
- 「日時をテキストに変換」アクションを追加
- 変換する日時:「%currentDateTime%」
- カスタム形式:「yyyyMMdd_HHmmss」
- 変数名:「formattedDateTime」
- スクリーンショットのファイルパスを変更
- 「%folderPath%\screenshot_%formattedDateTime%.png」
- フローを実行し、ファイル名が動的になっているか確認
8. フローの実行と動作確認
すべての設定が完了したら、フローを実行して、以下の動作を確認します。
✅ ブラウザが開く
✅ ログインページにアクセス
✅ ユーザー名とパスワードが入力される
✅ ログインボタンがクリックされる
✅ スクリーンショットが「screenshot」フォルダに保存される
✅ スクリーンショットのファイル名が動的に変更されている
9. よくある質問(FAQ)
Q1. ログインが成功しません
A. 以下の点を確認してください:
- UI要素が正しく取得されているか
- ユーザー名とパスワードが正しいか
- ブラウザの拡張機能がインストールされているか
Q2. スクリーンショットが保存されません
A. フォルダパスが正しく設定されているか確認してください。
- パスの末尾に「\」をつけないようにする(例:「C:\Users\〇〇\Desktop\screenshot」)
